満月の夜に

満月の夜は何かが起こる
この所、自然動物との身近な場面に遭遇する事が、何故か続いています。
その中で、今回は満月の夜深く、人里離れた細道で「狐」と遭遇した出来事をお話しさせて頂きますが…なぜそんな時間、人気の無い所に私は居たのか…?は、どうぞ追求しないで頂けたら幸いに存じます(^^;;
満月の夜半、私は明日に日曜日を控えている事もあり、帰りが遅くなるのをあまり気に留めず、いつしか帰路を初めて通る道へと向けていたのでした。
思い起こせば既にこの時、あのすみきった夜空に、くっきり浮かぶ幻想的な満月の、虜にさせられて居たのかも知れません。
気がつくと、舗装もされていない道に入り込んでいた私は、この夜更けにややもすると、見てはならない物の怪をも想像する、沼の淵を通る土地に入ってしまった事に、一抹の不安を身体に感じていました。
その時です、右前方に小さく揺れ動く丸い2つの発光体が現れたのです。
もちろん怖いと言う感覚は全くない私は、狭い道でしたので、むしろ冷静に観察しょうと、ゆっくり車を止めたのです。
ヘッドライトに浮かび上がったその物体は、狸でなく、犬でもない、まさしくキツネ、初めて生で見たのですが、キツネだとハッキリ分かりました。
もしこれがこの場面で、若い娘だったとしたら…思わずゾットする話になってしまい、私は化けた狐に誘惑され、今頃この世にはいなかったかも知れません^^;;
幸いこの時は、可愛らしいキツネが、道を横切ろうとしたのを、たまたま通りかかった私が、前をさえぎってしまって、互いの出方を見る状態でしばしの間、向かい合っていた…と言う事です。
そのうちキツネは、私に道を譲るかのように、車の右手方向の田んぼに一度降りてから、車の後方へ回り一周するかのようにゆっくり移動すると、何んと車の左側の土手の上に登り、車の助手席、私の真横に来て立ち止まったのです。
月明かりの中その様子を見ながら、私は慌てて携帯を取り出したのですが、さすがにこの明るさでは映らないので、携帯を構えたまま車をゆっくりバックさせ、何とかヘッドライトの光の端が、その被写体をとらえるまで下がったのですが、本当に不思議な事なんですが、それまでそのキツネは身動きしないでこの様子を見ていたのです。
そして携帯を構えたら、「もう動いてもいいかい?」とでも言ってるようなタイミングで動き出したのでした。
ただこれだけなんですが、この場を去るのが少しだけ未練が残る、暖かくもちょっぴり感動した週末の体験でした。
この町には狸塚(むじな塚)と言う地名があるだけに、狸やハクビシン、イタチなどの出没話が良く出てきましたが、開業(35年)以来一度も聞いたことのない「狐」に、そして意味深にも、満月の夜遭遇したと言うのは、久しぶりに細やかな感動を抑えきれない感情に浸る事が出来ました。
よろしければ、下記動画をご覧ください。

ペンネーム またえもんでした

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